教室関係コラム

2013.07.01

NIH U.S.A ぶき太留学2報 壽

留学先:National Institutes of Health(NIH).

Kotobuki Yorihisa, M.D., Ph.D.
壽 順久
2013年6月29日

ぶき太の留学 第2話~ここはNIH~

皆さんこんにちは、ぶき太です。

 今日は、僕が所属しているNIHについて、ご紹介したいと思います。いったいどんなところかというと、簡単に言えば厚生省と医科研や理科研などの研究機関がくっついたところ、みたいな感じでしょうか。僕の所属するNCIは癌研に当たるのかな。NIHは、メリーランド州のベセスダと言う町にあります(正確には他にも分署がいくつか点在しています)。こぢんまりとした町ですが、ちょっとした高級住宅地で、DCと違い治安も良いです。僕の住んでいるロックビルはベセスダの北隣にあるんですが、僕の住んでいるあたりはなぜかノースベセスダと勝手に名乗っており(ベセスダとつくと高級感がでて人気が上がるかららしいです)、しかもそれが普通に住所として通ります。関西で言えば、西宮の上の方が、勝手に北芦屋と名乗るようなもんです。不動産屋の策略が見えますねえ。

 NIHは1887年にその基盤が創設され、現在75以上の建物と3万人以上の人が働いています。日本人はその約1%の300人ほどがいるそうです。留学生は1位中国、2位インド、3位、4位が韓国、フランスで、確か日本は5位だったと思います。少しずつ減っているそうで、やっぱり危機感を感じます。とにかく広くて自然が多いです。NIHに来て一番感動したのが、自然の多さでした。

Canadian goose. 初めて出会った動物です。春にはヒナが見られ、非常にかわいいです。渡り鳥ですが、なぜかNIHに居座ってます。

 至る所で野生動物を見ることができます。僕がNIHで最初にであったのがガチョウ(雁の仲間?)でした。その後、リス、ウサギ、野鳥、シカと出会い、最近ではホタルを見ることができます。まだ出会ってませんが、アライグマもいるそうです。(アライグマは阪大にもいますね、そういえば。。。)

リス。あちらこちらにいて珍しくも何ともないですが、やっぱりかわいいですね。

 NIHは非常に大きいのですが、その移動手段は基本的に徒歩です(シャトルバスもありますが、時間が不定期でなかなか乗れません)。僕のいるビル37は玄関口のちょうど反対側になるので毎日15分から20分かけて歩いています。阪大に換算して話すと、毎日モノレールの駅から歯学部病院まで歩く感じです。おそらくこれが僕のダイエットに一役買ってくれています。途中で、レンガ造りの非常に大きな建物が見えます。これはNIHの中枢、ビル10です。簡単に言うとNIH病院ですが、普通の病院ではありません。基本研究しか行っていません。治療は全て公費でまかなわれますが、治験のみで一般患者はいないという恐ろしいところです。とても日本のシステムでは作れないし、臨床研究では敵わないとしみじみ感じました。現在、日本から来ている僕以外の皮膚科の先生は皆さんここで働いています。ビル10には大きな食堂の他、地下には銀行(NIH original)、お土産ストア、本屋、実験器材のショップがあり、必要物品などはここで購入する形になります。実験器材はボスのカードが無いと購入できないので、いつもカードをお借りして買い出しに行きますが、気を使います。

ウサギの赤ちゃん。やっぱり春になると新しい命が増えるようです。

シカ。これも親子です。比較的レアキャラです。

赤い鳥カーディナル。あのカージナルスのマスコットでもあります。

 

 僕のいるビル37は、NCIの中枢ビルになります。響きはかっこいいですが、もう結構ボロいです。食堂やカフェも無いので、弁当持参か隣のビル35に食べに行く感じです。NIHはキャンパス内全面禁煙なんですが、ビル37はNIHの西端にあるので、すぐに外に出れてそこがスモーカーの溜り場になっています。個人的にはそれが一番のメリットですかね。机は一人一脚与えられます。実験机も併設ですが、かなり広いスペースを頂きました。すばらしいな!と思っていたら、こちらはウエスタンやPCRなど全て器材も個人持ちで、自分の机で全部実験をするようで、ウエスタンする場所とかPCRスペースといった共用スペースはほとんどありません。このシステムに最初というか今でも苦労しているんですが、このお話は次のラボ紹介にまわしたいと思います。ちなみに僕の今座っている机は、むかし東京医科歯科大学の並木先生が使っていた机だそうです。机のあちこちに取れないシミがあります。

僕の机と実験台。N木先生のにおいが染み付いています。

 まだNIHのシステムに完全になじんでおらず、色々と苦労していますが、少しずつなじんで結果を残して行こうと思います。

次回は、ラボ紹介をしたいと思いまーす。またねー、バイバーイ!

第一弾→ぶき太の留学  第1話~ぶき太がアメリカにやってきた~

2013.7.1 Update

  • 社団法人日本皮膚科学会
  • 日本皮膚科学会中部支部
  • 日本皮膚科学会大阪地方会