会頭挨拶

近畿皮膚科集談会は1927年(昭和2年)に京大楽友会館で第1回が開催されてから今回で109回目を迎える伝統ある学会です。大阪と京都の交流を図ることが目的の一つとして発足し、日本皮膚科学会大阪地方会と日本皮膚科学会京滋地方会の共同開催となり、今回は第456回大阪地方会・第447回京滋地方会も兼ねています。このような歴史ある学会の開催を任せていただき、誠に光栄に存じます。
 さて、今回は2016年7月10日(日)午前9時半より兵庫県医師会館にて開催させていただくこととなりました。神戸市中央区三宮駅(JR、阪急、阪神、神戸市営地下鉄、ポートライナー)から歩いて約5分の比較的交通の便の良い会場です。ランチョンセミナーでは森田明理先生(名古屋市立大学 大学院医学研究科加齢・環境皮膚科教授)に「乾癬に対する生物学的製剤の導入のタイミングと効果維持の方法」というタイトルで日々の乾癬治療に関する実際的かつ重要なお話を頂きます。また、特別講演では本年3月末に兵庫県立がんセンター皮膚科部長を定年退職されました村田洋三先生に「悪性黒色腫七不思議」というタイトルで、きめ細かくかつ真摯な目で長期間の経過を観察された先生ならではお話を頂きます。
 テロ問題など世情不安な世の中である上に、診療報酬改定など医療界においても先行き不透明な部分も多く、また先進機器の進歩も著しいものはありますが、その一方で皮膚科診療において、緻密な観察眼と柔軟な心という原点がますます必要になってくると思われます。皆様御多忙中とは推察いたしますが、ぜひ各医療機関から多数の貴重な症例報告等のご演題を賜りたくよろしくお願い申し上げます。さらに多くの皆様方のご参加と活発なご討論を宜しくお願い申し上げます。今回は同会場におきまして7月9日〜10日の2日間近畿大学奈良病院皮膚科山田秀和先生を会頭とする第12回加齢皮膚医学研究会も開催され、企業展示もございます。どうぞ奮ってご参加ください。
 最後になりましたが開催にあたりまして、多くの方々のご支援ご鞭撻を賜っておりますことを心より御礼申し上げます。

第109回近畿皮膚科集談会 会頭 足立厚子
兵庫県立加古川医療センター 皮膚科